帯祝い

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妊娠と安産を祝う「帯祝い」

帯祝いは無事に子供が生まれるようにと願いを込めて、妊娠5カ月目の戌の日に腹帯をする風習を帯祝いと呼びます。「岩田帯」や「結肌帯」「斎肌帯」と呼ばれる腹帯をおなかに巻き、妊娠を祝うとともに新しい命の健康と安産を祈ります。腹帯は、おなかを安定させ、胎児が育ちすぎないように、とか胎児の位置がずれないように巻くもの。最近では、使いにくい腹帯よりも、便利なマタニティガードルのほうが一般的です。

帯祝い イラスト

帯祝いは、妊婦の体に無理がかからないよう、実家の両親や身内だけで簡単に祝うのが最近の傾向。岩田帯を贈る場合は、清酒やかつお節の他、安産のお守り等を添えて贈ることがあります。

また、マタニティ用品などを贈ってもよいでしょう。現金は紅白蝶結びの祝儀袋に入れて、表書きは「御祝」「御帯祝」など。

出産 イラスト

出産は喜ばしいことですが、報告は両方の親や兄弟など、ごく身内だけに電話で連絡します。親戚や親しい友人には、母子が落ち着いた頃や退院近くでもよいでしょう。会社の上司や普段あまりつき合いのない友人・知人などへは、季節のあいさつの折りにふれる程度にとどめるのが常識です。遠方の人たちには、年賀状や暑中見舞いなどを利用して簡単に知らせればいいでしょう。

出産直後のお見舞いは、肉親と親しい女性以外は遠慮するのがエチケット。特に夫以外の男性が病室へ入るのはマナー違反なので気をつけましょう。できれば母子ともに退院して落ち着いたころ、だいたい退院10日〜1ヶ月後ぐらいにお見舞いへ。

出産祝いは、近親者やごく近しい親戚、友人などから贈られるのが普通で、お七夜を過ぎて2〜3週間以内に贈るのが適当でしょう。直接お祝いに伺うのは、母と子の1カ月検診が終わった頃に。お祝いの品は、いくつあってもいい消耗品やベビー服、おもちゃなどが定番です。近親者からは、ベビーカーやチャイルドシートなどがありますが、最近ではレンタルや友人から借りるという例が増えています。また、6ヶ月後から1年後に使うような衣類や育児玩具を贈ると喜ばれるようです。「内祝」のお返しは、お祝いの2分の1〜3分の1を目安に。


●退院して落ち着いたころにお七夜を

赤ちゃんが元気に育つことを願い、出生の翌日から数えて7日目に行うのがお七夜です。お七夜には成長を祝い、その日までに考えておいた名前を子供に命名をし、周囲にお披露目をします。昔は親戚や仲人、助産婦さんなどを招いて祝宴をもちましたが、最近は双方の両親や兄弟を招いて内々で祝うケースが大半。この日までに名前を考え、命名書きに記入して、床の間やベビーベッドの上などに飾リます。

赤ちゃんの名前は、最近では両親で決めるのが一般的。祖父母や親戚の年長者に頼む場合には、いくつか候補を出してもらい、最終的には両親が決めます。出生届は14日以内に提出しましょう。

その土地の守り神に我が子の誕生を報告し、健やかな成長を祈願する行事がお宮参りで、産神詣で、産土詣でなどとも呼ばれます。

これは江戸時代に一般化した儀式で、お産をけがれとしていたころには、忌み明けの意味も含まれていました。また、子供が正式に氏子に加わり、社会的に認知される儀式でもあったようです。

お参りは神殿に詣でてお賽銭をあげ、参拝するだけでも問題ありません。現在、とくに都会においては氏神に対する意識が低く、新興地には氏神自体が存在していません。ですから、お参りする神社は出生地や居住地の氏神でなくても、父母の信仰や考え方によって決めれば良いでしょう。

社務所に申し出れば、お祓いを受けたり祝詞をあげてもらうこともできます。このときの心づけは、紅白蝶結びの金包に「御初穂料」と書いて現金を包んで納めます。

特別に信仰もなく、お宮参りに意味を感じられないのなら、親子3人で記念写真を撮ったり、お祝いの食事をするだけでいいかもしれません。

子供の晴れ着は、しきたりに沿うなら男子は熨斗目の着物、女子は友禅の着物です。晴れ着の調製も父母の務め。親の好みやセンスで、新しいベビードレスなどでもかまいません。子供の衣装が礼服なら、父はダークスーツ、母もフォーマルなスーツや付け下げ、子供が普通の服なら、父母も平服を。同行者も父母に合わせるか外出着程度のものを着るようにします。

お宮参りのあとは、出産前後にお世話になった方や親しい方にごあいさつに伺います。ただし、生後間もない子供の遠出は考えもの。しきたりどおりにするより、双方の祖父母などを自宅に招いてお祝いに参加してもらったり、近くのレストランなどに席を設けるほうが良いでしょう。お祝いを贈られた場合には、このもてなしがお返しになるので、お招きできなかった方や遠方の方へはお赤飯代わりとして祝儀用食品などを贈ります。


生後100日目から120日目に、赤ちゃんに初めて箸を使ってご飯を食べるまねをさせる行事を、お食い初めと呼びます。別名「箸初め」とか「箸揃え」、「歯固め」とも呼ばれ、子供が一生食べるに困らないようにという願いが込められており、また赤ちゃんが家族と一緒の食卓につき、正式に一家の仲間入リをする意味もあります。赤ちゃんにご飯を食べさせる役は「箸役」と言われ、近親者の長寿の人に頼むのが適当。祝い膳は、地方によって変わりますが、一般的に一汁三菜が基本で、赤飯、尾頭付きの魚、煮物、お吸い物、漬け物をそろえます。

正式なお祝いの食器は素焼きのものや漆器などですが、最近では離乳食に使うプラスチックなどの食器が多く使われているようです。料理も、尾頭付きや赤飯でなく、離乳食を揃えるのもいいかもしれません。この行事も内輪だけで行えばいいので、せいぜい双方の祖父母を招くぐらいにして子供の成長ぶりを披露しましょう。


●節句にちなんだ手料理でおもてなしを
初節句 イラスト1

赤ちゃんが生まれて最初に迎える節句が初節句。初節句(男児は5月5日の端午の節句、女児は3月3日の雛祭り)は子供が育ちにくかった時代にはひとつの節目とされ、一族で祝い合ったものです。

男の子の端午の節句には、祝い膳として柏餅とちまきを用意し、菖蒲湯に入れて邪気をはらいます。女の子の桃の節句には、祝い膳としてちらしずし、はまぐりの吸い物、鯛の尾頭付きを用意し、ひなあられ、甘酒、ひし餅を飾ります。生まれて1〜2カ月で初節句を迎える場合は翌年の節句が初節句に。

初節句 イラスト2

男の子の節句には、鯉のぼりや鎧、兜。女の子の節句には、ひな人形を母方の実家から贈ることが多いようです。ただし、最近では住宅事情などもあるので子供の親の希望や祝い方をたずね、その方針に沿うことが大切。お祝いを贈るなら節句当日の数か月前〜10日前位までに。

友人や親戚からのお祝いは、節句にちなんだ食べ物や菓子、おもちゃなどが適当です。

初節句の日には、祖父母やお祝いをくださった方を招待して、父母が会食会を催します。このもてなしがお祝いに対するお礼、お返し、内祝いになります。もてなしは手料理で十分。節句にちなんで、3月の桃の節句なら、ちらし寿司とはまぐりの吸い物、5月の端午の節句なら、粽などを中心に用意すれば良いでしょう。ちなみに、生まれて1〜2か月に初節句を迎える場合は翌年に延ばすほうが無難です。


●初めての誕生日には成長の記録を残して
初誕生日 イラスト

生後1年の誕生日が「初誕生」です。1年の節目に子供が健康に育ったことを祝ってお参りをし、身内で祝い膳を囲みます。ケーキやごちそうを用意して友人を招き、パーティーを開く家庭もあれば、一升の餅をついて、これを担がせたり、踏ませたりする「立ち餅」「力餅」といわれるしきたりが残っている地方もあります。

最近では、普通の誕生日と同じようにパースデーケーキを用意して、家族だけで祝う場合がほとんどでしょう。ですが、せっかく初めて迎える誕生日、子供本人にはわからないこととはいえ、父母双方の祖父母など親しい方を招いて、子供の健やかな成長ぶりを披露し、喜びを分かち合うのも楽しいかもしれません。もてなしは手料理の祝い膳程度で十分。体重や身長、手形や足形などの子供の成長ぶりとともに、祝い膳の様子を写真やビデオに収めて記念に残しておきたいものです。

もし、誕生日に招かれたときには、赤ちゃんの成長に合わせて衣類やおもちゃなどを贈ります。また、お祝いをいただいたときは、内祝としてお返しします。